阿波路の国鉄型

(「宇和海 予土線 川奥信」からのつづき)

予讃線壬生川から宇和島、予土線、土讃線を経由し阿波池田までやって来ました。
高知は素通りかい!?

JR化以降に登場した車両たちが行き交う土讃線から降り立つと、またまた国鉄型との出会いがありました。
これから「剣山」で徳島へ、そして牟岐線方面へ向かいます。

国鉄時代に四国内特急の主力として登場したキハ185系は、一部は普通列車用やイベント車両などに改造されたりしていますが、まだ多くは今も原型のままバリバリの特急運用です。
2000系や2700系なんかと比べると見劣りはしますが、元気な姿を見ると嬉しくなりますね。

1号車(徳島方の前4列は指定席

そんなに広くはない徳島県ですが、県内で完結する特急列車がこの「剣山」と「むろと」の2系統あります。
私などは、徳島県というと鳴門の渦潮や日和佐のウミガメ産卵地といった「海」のイメージが強いのですが、地図を広げると、ここ阿波池田もそうですが剣山や祖谷渓、大歩危・小歩危のような内陸の山間部にまで県土が広がっていることに改めて気づかされます。そもそも、四国の東端の徳島県が西端の愛媛県と接していることに驚く人は多いのではないでしょうか。
それを思えば、県内完結特急の1つや2つはあっても不思議ではないでしょう。走行距離が短いことはこの際不問

吉野川沿いに淡々と走っていると冬場なので日が落ちるのも早く、18時前にはとっぷり暮れてしまいました。

徳島からは牟岐線に入りますが、せっかく特急乗り放題きっぷを持っているので短距離でも特急に乗ろうということで。

国鉄型並び立つ

当時運行していた「ホームエクスプレス阿南」は「むろと」の姉妹列車で、走行距離わずか25キロたらずの短足特急です。
まぁ徳島から阿南まで特定特急料金の320円で乗れますから、大都市圏の私鉄特急やホームライナーよりコストパフォーマンスは良いかも知れません。空いてますし

さっきの「剣山」もそうですが、国鉄型車両ならではの設備面もなかなか興味深いポイントです。
その代表格がトイレでしょうか。(お食事中の方申し訳ございません 汗)

このペダル式の水洗や手洗い台は、鉄道車両でもなかなか稀少となりました。
「薬品の入った水が出ます」てたいてい濃い青色で、時によっては水の再利用の結果なのか茶色い水が出てくることがあったりします。
今でこそ列車トイレはタンク式やカセット式などになっていますが、2〜3むかし前の旧型客車などは大半が垂れ流し式で、ひどいのになると便器から線路が見えている、財布など落とそうものなら一巻の終わりというシロモノまで・・・
最近見なくなった「停車中は使用できません」の注意書きは垂れ流し式の象徴でもありました。

尾籠なハナシが続きましてすみません。

さて、「ホームエクスプレス阿南」に乗ったのは単に特急に乗らないと損という貧乏根性だけでなく、30分以上も前に徳島駅を出た海部行普通列車に阿南駅で追いついて接続する神列車という理由もあります。

今宵は日和佐駅前のビジホで一泊。

翌日は牟岐線をさらに南下します。

終点の海部駅で阿佐海岸鉄道に乗り換え。
昨日の阿波池田からここまでずーっと徳島県内です。

最後の一駅だけ高知県に飛び出します。

阿佐海岸鉄道は現在、JRから牟岐線阿波海南ー海部間の移管を受け、DMVを走らせるなど大きく姿を変えています。
近々、乗りに行くかも知れません・・・きっと。

折り返して帰り道、牟岐駅でキハ185と再会しました。