索引地図の中の宗谷本線

昨年度限りで役職定年を迎えたよんかく、元職場の同僚有志からいろいろプレゼントをいただいたのですが、その中に一冊の時刻表が・・・


まぁ普段から「僕が死んだら時刻表を棺桶に入れて」みたいなことを喧伝していたので私がどういう人間なのかは先刻バレていたのですが、プレゼントとして貰うことになるとは夢にも思っていませんでした。←皮肉ではなく感謝の表現のつもり(汗
白状しますと、実はこれまで長らく時刻表というものを購入していませんでした。若い頃は鉄旅行に行くたびに年4〜5冊は買っていたのですが、旅行の頻度も減りかつ老眼で細かい文字が見えにくくなってきたこともあって、さいきんはついジョ●ダンや駅●ぱあとなどのアプリに頼っている有様だったのです。

それでも時刻表のずっしりとした質感に格別のものがあるのは事実で、またどっか行きたいなあ、と思いながらページをパラパラとめくっていたら、索引地図の北海道のページで手が止まりました。
宗谷本線名寄駅以北がまるで略図のようにスカスカに・・・

もちろん、北海道各線で駅が多数廃止されているニュースはこれまでも見聞きしていましたが、路線図のイメージとして捉えることがなかったので、このように図示され視覚化されると「ええっ?!」と思わず絶句してしまいました。
宗谷本線の駅の大半が廃止される前の索引地図と比べてみると一目瞭然です。

左はJR時刻表2009年8月号

特に令和に入ってからの廃駅が18駅、豊清水駅と雄信内駅は信号場に格下げの形でなんとか路線上に残っていますが他はいずれも棒線駅の廃止。うち歌内、安牛、上幌延、徳満、抜海の5駅はいずれも元・交換可能駅だったのが棒線化ののち廃止という経過を辿っています。このため、駅間距離が20キロ超という区間が3区間も発生しました。
左側の古い地図にもない神路駅(筬島-佐久間)は1977(昭和52)年に信号場となりましたが、その神路信号場も1985(昭和60)年に廃止されました。芦川駅(徳満-兜沼間)も棒線化ののち2001(平成13)年に廃止。
逆に、棒線駅でも廃止を免れた駅は一定の利用がある駅か、利用は少ないけれども自治体が維持管理を引き受けている駅ということのようです。

では列車の運行状況は?と思い、特に廃駅の多い名寄駅以北のダイヤグラムを引いてみました。
赤線は特急列車、黒線は普通列車で、臨時列車は除いています。

JR時刻表2026年3月号から作成

列車本数そのものは数年前からこんな感じと思うのですが、天塩中川駅、雄信内信号場、兜沼駅では定期列車の列車交換もなくなっていました。南稚内駅も列車交換がありませんが、車庫があるので入換作業や回送列車の運行などのために交換設備が存置されているものと思われます。
いずれにしても、駅の大量廃止以前に宗谷本線自体がかなり危機的な状況にあることを痛感しました。

閑散駅の廃止という点で先例となる石北本線では、昭和・平成年代に上越、中越、奥白滝、下白滝の各駅が信号場化され、棒線駅の旧白滝駅(白滝-下白滝信号場)と交換可能駅の天幕駅(上川-中越信号場間)が廃止となっています。これ以外でも令和にかけて棒線駅の廃止が相次ぎ、新旭川-留辺蘂間の地図が大きく変わっています。

上川-白滝間は信号場を挟みながらも駅間距離が37.3キロ、しかも近年までは両駅間の快速と普通が各1往復しかなく青春18利用者泣かせの区間でしたが、特急「オホーツク」の本数削減と引き換えに快速・普通合わせて乗車機会が4往復にまで増加しました。←喜ぶべきか悲しむべきか

もちろん利用者がいなくなれば駅廃止もやむを得ないのですが、今は「鉄道よりクルマの方が便利」という理由よりも「そもそもそこに住む人がいなくなる」ことによる廃駅(あるいは廃線)という、単に鉄道にとどまらず地域社会そのものの根幹を揺るがす重い現実を突き付けられる、そんな時代であることを改めて思い知らされます。