頭上注意! 〜高架下2題〜

そのまま通ろうとするとアタマを打ちそうな…いや確実にアタマを打つ高架下を見てきました。
(過去に個人Facebookページに掲載したネタを再構成しました)

ここは山陽新幹線の高架に沿って東海道本線新大阪駅-宮原操車場(網干総合車両所宮原支所)-塚本駅を結ぶ北方貨物線@大阪市淀川区。 →GoogleMap
道幅の狭い田川踏切に北側から進入すると、地平を走る線路の向こうに低い高架が見えてきます。

低い高架をくぐった南側にはもう一段低い高架があります。低くても高架。
高さ制限1.2m、頭上注意。

高さ制限1.2mはかなりサバを読んでいて、実測は数10cm高いのですが、それでも身長165cmのよんかくが余裕でアタマを打ってしまう低さです。

高架をくぐって、北方貨物線の南側に出てみました。
北方貨物線は山陽新幹線から徐々に離れて、この先(左方向)はデルタ線を形成して東海道本線の上下方向にそれぞれに合流していきます。

地元のママチャリマダムが腰を屈めて難なく通り抜けていきます。
しかもかなりのハイスビードです。

原付も30km/hぐらいは出てるんではないでしょうか。
ちょっとアタマが高かったら・・・と思うとかなり恐ろしいですな。

もちろん、頭上注意の頭上を列車が通過していきます。
これも慣れてなければかなり怖いです。

貨物線とはいえ宮原所に出入りする回送列車が割と頻繁に通るので、通過車両のバリエーションは多種多様です。
この低いガードを生活道路として日常的に使わざるを得ない地元の方々に同情しながらも、少しうらやましい気がしたよんかくでした・・・
(2014年6月6日撮影)

 

次は同じく東海道本線、甲子園口駅横の「マンボウ」@兵庫県西宮市。 →GoogleMap
東西方向に走る線路の下を南北に貫く人道トンネルで、TVやメディアにもちょこちょこ登場しているようです。

こちらは線路北側の坑口で、高さは約1.3メートル。
北方貨物線の高さ制限1.2メートルガードは実測1.4メートル程度でしたから、それよりもまだ低いです。
あちらは横幅がありましたが、こちらは人ひとり通るのがやっとの幅しかありません。

もともとは農業用水路トンネルとして作られましたが、人が通れる地下道が付近になかったため、断面を少し拡張のうえ人道トンネルに改築されたものだそうです。
ここでもよんかくはアタマを打っています。アタマを打ってばかりの人生です。<腰を屈めるということを知らんのか?

甲子園口駅舎のすぐ大阪方には駅構内の下を貫く地下通路があるにはあるのですが、そこに行くだけでも線路沿いに400mほど歩かなくてはならないのでこのマンボウを利用する人々はそれなりに多く、誰もいない瞬間を写真に撮るのが結構難しいぐらいです。

蛇足ながら、JR甲子園口駅は甲子園球場から北へ約2.4km離れた位置にあるのですが、かつて春・夏の高校野球大会期間中に甲子園口行「ナインドリーム甲子園」という夜行列車を運転していたことがありました。
新大阪駅を夜出発し大阪駅での長時間停車を挟んで甲子園口駅に翌朝到着という走行距離5駅16.7kmの超短距離、しかも583系使用の立派な寝台列車でした。いすみ鉄道・えちごトキめき鉄道もがんばれ

前身の農業用水路トンネルは1874(明治7)年の東海道本線開通とともに竣工し、1896(明治29)年の複線化時に人道トンネルに改築されたと伝えられています。なので、内部はレンガ積みの荘重さです。
今も人道部分の両側には水の流れる側溝があります。

トンネル内部がレンガ造なのは北側4分の3ぐらいで、その南側は断面が四角形のコンクリート造となっています。これは1926(大正15)年東海道本線複々線化工事の際の新たな盛土によってトンネルが延長された部分です。

なので、南側の坑口は四角形です。
それにしても、こんなとこを自転車や原付を押して通る人てほんまにおるん?と思っていましたら、

いらっしゃいました(汗
ママチャリなら十分押して通れますが原付はどうでしょうか。
少なくとも乗ったまま走り抜けるのは無理ですが・・・

トンネル内では、体格の細い人同士の離合なら何とかできそうですが、実際には両側から同時進入しそうになったら「お先に〜」「どうぞ〜」みたいなやりとりがあって、自主的に交互通行で運用されているようです。

ちなみに、マンボウとはトンネルを含む地下通路を指す古いコトバで、トンネル内部のレンガが螺旋状に積まれている「ねじりまんぽ」の「まんぽ」も同じ語源だそうです。「マンボウトンネル」という言い方は重ね言葉になってしまうのですね。
西宮市内の東海道本線には同様のマンボウがあと2か所現存します。
(2016年8月24日撮影)