硬券畏る可し 〜私鉄編1〜
今回からは国鉄以外の硬券です。
こちらは今も現役のものがいくつか出てきます。
スタフ閉そく(羽後本荘ー前郷間)、タブレット閉そく(前郷ー矢島間)が今なお健在の由利高原鉄道。
前郷駅と矢島駅で硬券を発売していました。小児断線入りのオーソドックスなタイプです。
ワンマン列車の料金箱の中で裏返っても分かるように、裏面にも行先が刷り込んであります。
よんかく所蔵の硬券の中で最も新しい、上田電鉄(上田-別所温泉間)の往復券です。
往路券・復路券それぞれに日付が打たれています。国鉄・JRもですが、往復乗車券の有効期間は片道の2倍となります。
この訪問時は、2019(令和元)年台風19号による千曲川橋梁の崩落に伴い、上田駅-城下駅間が電車代行バスでの運転を行なっているところでした。
千曲川橋梁の工事が完了し全線復旧したのは2021(令和3)年3月のことです。
次は上信電鉄(高崎-下仁田間)。現在も有人駅では硬券を発売しているようです。
33.7キロの中に3か所の交換型信号場(佐野、新屋、赤津)を抱える信号場萌え路線でもあります。
最近はよんかくの住む近畿圏のスーパーでも、冬場に極太の下仁田ネギをよく見かけるようになりました。
年号は平成(以下同じ)
上毛電気鉄道(中央前橋-西桐生間)西桐生駅で購入した東武鉄道連絡きっぷ。遠方に住むよんかくにとって上毛電鉄と上信電鉄はとても紛らわしい存在でして(汗
この時は上毛・東武連絡駅の赤城駅から東武桐生線・伊勢崎線の急行「りょうもう」を利用しました。一般に私鉄の急行は料金不要なのに対し、平成5(1993)年当時、急行料金を徴する私鉄は全国でも東武鉄道だけだったはずです。なお、伊勢崎線の料金不要の優等列車は快速と準急でした。
「りょうもう」も現在は特急に格上げされています。
急行券の裏面
秩父鉄道(羽生-三峰口間)は近年まで硬券を多く取り扱っていましたが、2022年3月のICカード導入後はごく限られた一部の駅のみの発売となったようです。
下は秩父本線影森-三峰口間がタブレット閉そく式だった平成4(1992)年当時、武州中川・武州日野でのタブレット通過授受を撮りに行った時に購入したきっぷです。地紋は青系の「JPR てつどう」で、上信電鉄や上毛電気鉄道と同じような風合いとなっています。きっぷの地紋については当ブログの手書き・入鋏式車内補充券でも少し取り上げています。
運賃を変更した場合は旧運賃の券に「運賃変更」のスタンプを押してある程度売り切ってから、新券に移行していました。
さて、みんな大好き(笑)銚子電鉄(銚子-外川間)です。
現在も仲ノ町駅、笠上黒生駅、外川駅などの有人駅で硬券を発売しています。ここはICカードはおろか自動券売機も皆無ですが、その代わりに一般の硬券、倍サイズのC型硬券、車内売りの軟券、常備連絡乗車券、出札補充券、車内補充券など多種多様な乗車券を扱い、きっぷ蒐集家にとっては垂涎の聖地と思われます。
最近は上り銚子(上り調子)行硬券などをノリ?で売り出していて、会社存続のためとはいえ相変わらず見上げた商魂です。
仲ノ町駅入場券の裏面
銚電も大半が非自動閉そく(仲ノ町-笠上黒生間:票券閉そく式、笠上黒生-外川間:スタフ閉そく式)で、現在は朝の時間帯のみ笠上黒生駅で列車交換が行われていますが、このきっぷを購入した平成13(2001)年時点ではほぼ全ての時間帯で列車交換がありました。
今回のラストは小湊鉄道(五井-上総中野間)の国鉄連絡乗車券。こちらの地紋も銚子電鉄と同様、赤系の「JPR てつどう」です。
昭和60(1985)年、国鉄木原線(現・いすみ鉄道)とともに初乗りした時に購入しました。
五井駅で回収されないように国鉄連絡乗車券にしたもので、五井駅からは青春18きっぷを使用しています。
きっぷを手元に残すために敢えてこのような買い方をしたことが何度かありました。
「硬券畏る可し 〜私鉄編2〜 」につづきます。