福知山鉄道館フクレル

加悦鉄道資料館訪問の前日、福知山市にある「福知山鉄道館フクレル」に立ち寄りました。
(2024年9月27日撮影)

福知山は国鉄時代から福知山鉄道管理局が置かれ、現在も北近畿方面のJR各線、京都丹後鉄道といった鉄路が集まる要衝です。
そんな「鉄道のまち」福知山にかつて存在していた「福知山鉄道館ポッポランド」の後継として2023年8月にオープン、まだ1年少々の新しい施設です。

副館名の浅田章介氏は、フクレル建設のため多額の私財を寄付された方とのことです

観光名所の福知山城公園内という好立地。
福知山駅から若干距離はありますが、路線バスが時間あたり2〜4本程度あるので便利です。

こちらは有料施設。
入場料500円を支払い、昔の駅舎の改札ラッチを復元したゲートをくぐります。

ゲート横には懐かし目の展示品が数点。

その中に、京都と出雲市を結んでいた夜行鈍行「山陰」の編成を復元したNゲージ模型がありました。
よんかく若かりし頃、青春18や山陰ワイド周遊券を手に何度もお世話になった列車です。

ゲートの正面にはC5793の第3動輪。手を触れても良いとのことなのでペタぺタ触り放題です。
蒸気機関車を見るたびに思うのですが、この動輪だけでも2トンぐらいはありそうなのに、機関車の重量プラス連結された貨車や客車を合わせた総重量ぶんを、沸騰するヤカンと同じ蒸気の力で走らせていたというのがとても信じられません。

ジオラマは現在の高架化された福知山駅と地上駅時代の福知山駅がレールで結ばれ、Nゲージの列車が新旧福知山駅をぐるぐると巡る心憎い演出となっています。

ジオラマの向こう側には腕木式場内・通過信号機の腕木と通票閉そく器。
ただ、閉そく器は上部引手と下部引手の間にロープがかけられ施錠され、配線もつながっていないので、加悦鉄道資料館のように自由にチンチンボンボンできる状態ではありませんでした。
イベント的に閉そく操作を行うことがあるのかもしれませんが、ロープをかけられた姿はちょっと寂しいですね。

閉そく器の展示に付き物の説明書きは写真入りの立派さです。
国内からはほぼ絶滅してしまった通票(タブレット)閉そく式ですが、この原始的な運行管理方式を後世に伝えようとしているのを見るにつけ、よんかくもその一端を少しだけ担えてるのかなと思ったり。

写真やサボ、ヘッドマークなど展示品もいろいろ豊富です。

福知山西駅は、現在の京都丹後鉄道宮福線(福知山-宮津間)の先祖とも言える北丹鉄道にありました。
北丹鉄道は福知山と宮津を結ぶことを目的として1923年に福知山-河守(こうもり・現在の宮福線大江駅付近)間を開業させましたが、由良川の河川敷を走っていた区間では再三の水害でレールや施設が荒廃し、まともに運行できる状態でなくなったこともあって1971年に運転休止となりました。
のち鉄建公団が宮福線建設に着手、工事中断を経て1988年の北近畿タンゴ鉄道宮福線開業により、65年越しの北丹鉄道の夢が実現したのでした。

アトラクションとして運転シミュレーターとこの「なりきり機関助士」があります。
ご覧のとおり、手前の模擬石炭をスコップですくって投炭し、時間内の投炭回数とどれだけ満遍なく投炭できたかで走行距離を競うゲームです。

私もそっそくやってみました。
これを何回も繰り返すのはなかなか大変で、蒸気機関車を動かすことがいかに重労働であるかを痛感します。


なお、フクレルからちょっと離れた場所にも展示施設(元・ポッポランド2号館)があり、C5856がデンと腰を据えています。

ポッポランド2号館時代(2015年5月5日)

フクレルは、大宮や京都の鉄博などのように見学に1日がかりというような規模ではありませんが、お子さん連れのファミリー層やライトな鉄道ファン、歴史ファンの方には十分楽しめる内容です。
ただ、よんかく的には先代のポッポランドの方が内容が濃くてよかったかな・・・と思っています。
(「福知山鉄道館ポッポランド」については後日あらためてご紹介の予定です。)

 福知山鉄道館フクレルの見学記は以上なんですが、ちょうど昼時になったので、まちなかのお好み焼き屋さんへ福知山名物「ゴム焼きそば」を食べに行きました。
見かけはフツーの焼きそばですが、少し硬めというか弾力というか歯応えがある特別な製法の麺が使われていて、麺そのものが炒める前から茶色く輪ゴムのような色なので「ゴム焼きそば」です。
以前食べた時よりも麺がやわくなっている気がしましたが、店によって違うのかな?

続いては福知山の隣・綾部市へ。
綾部や福知山がある丹波・丹後地方は古くから養蚕の盛んなところで、国是や社是があるように、綾部市の前身である京都府何鹿(いかるが)郡の「郡是」を絹織物産業振興とすべしというところから「郡是製糸」が創設され、これが現在のグンゼにつながっていきます。何鹿郡の名は消えても社名に郡の香りを残す同社は、現在も登記上の本店を綾部に置いています。
前回の加悦鉄道も、もともとは絹織物である丹後ちりめんの輸送を主目的として敷設されたものです。

グンゼ記念館

そして綾部というと、よんかくが第2種通票と出逢った思い出の地でもあるのです。
何故?という方はこちらへ

よんかくと愉快?な仲間たち

福知山鉄道館フクレル
福知山市字内記13-1