名鉄美濃町線のエレガントな通票扱い その2

(「名鉄美濃町線のエレガントな通票扱」のつづき)

つづいて、新関-美濃間の終発・始発付近の運行方法について検討してみます。

【おことわり】
以下の記述は、よんかくがダイヤ上から読み取った内容と参考文献等からの情報をもとにしています(個人の趣味目的で現業現場に問い合わせることは一切行っていません)。
したがって、明らかな事実以外はよんかくの推測により書き進めているため、実際の運用と異なっている可能性があることをご了承ください。

まず、新関-美濃間の終発付近のダイヤをご覧ください。
下図ダイヤで青色のスジは通票での走行、オレンジ色のスジは続行票での走行を表します。

前回ご紹介したとおり、朝から夕刻までの新関-美濃間においては2つの保安区間を併合したピストン運転が行われており、電車①はそのピストン運転の最終電車です。

名鉄時刻表1989年版をもとに作成(以下同じ)

電車①が新関駅を出発するときは神光寺-美濃間の通票●(搬送扱い)のみを携帯し、続行票を掲出して神光寺に向かいます。このとき、搬送扱いの通票●は運転席左側下部に裏向きにして置かれます。
神光寺駅に到着した電車①は続行票を取り外し、通票●を表向きにして運転席横に置き(通票としての機能がアクティヴになった状態)、美濃駅に向けて発車します。

新関駅からは新関-神光寺間の通票▲を携帯した電車②が発車します(電車①の新関→神光寺は電車②の先行という関係)。
電車②と美濃駅発の電車③の神光寺駅到着時に両区間の通票が授受され、ここから神光寺駅での交換が復活します。

神光寺駅での夜間最後の交換を行う電車⑤には、美濃駅から保安取扱者が添乗します。
この保安取扱者は神光寺駅到着後、美濃行電車④に対して神光寺-美濃間の通票●を見せて続行票を掲出させるとともに、電車④に乗り移って美濃駅に戻ります。一方、電車⑤は通票●を新関駅まで搬送し、これにより新関駅には両区間の通票が揃うこととなります。
前回ご紹介したように午前中のピストン運転開始時には玉運び電車が運行されましたが、車両運用や運転士確保の関係で玉運び電車が運転できない場合、このように保安取扱者が「人間玉運び電車」の役割を担います。
このあとは、新関駅から美濃行電車⑥及び最終1本前の美濃行が続行票を掲出して美濃駅に向かい、美濃行最終電車⑦が両区間の通票を携帯して美濃駅に到着後、通票は美濃駅において保管されます。

次は、翌朝の新関-美濃間始発ダイヤです。

前述のとおり、両区間の通票は美濃駅にて保管されています。しかしながら、電車⑧から3本続行する新関行は通票を持たず、続行票を掲出して新関駅まで運行します。
朝の併合運転最終の電車⑨も続行票を掲出し、新関-神光寺間の通票▲を携帯(搬送)して美濃駅を出発。神光寺駅到着後、続行票を取り外し、搬送してきた通票▲を運転席横に表向きに置いて新関駅へと向かいます。
次の美濃駅発電車⑩は神光寺駅でこの日最初の交換を行います。電車⑩は続行票を掲出して先行する徹明町行と神光寺-美濃間の通票●を携帯する新岐阜行の2車続行運転で、神光寺駅では新関駅発の一番電車と通票を授受し、ここから8時台まで神光寺駅で交換するダイヤとなります。

新関-美濃間は保安区間が2区間しかないなので、運行方法の推測はさほど難しくはありませんが、6区間を抱える競輪場前-新関間も早朝・深夜に、各区間に通票を配布または回収するための続行運転が数多く見られるため、こちらの通票取り扱いは難解を極めるものと思われます。

現在、競輪場前-新関間のダイヤを引いて通票取り扱いの検討作業を進めていますが、アタマがごちゃごちゃになってきてわけがわからなくなっています。

途中経過(一部)

続行・玉運び・保安取扱者を巧みに操ってエレガントな通票扱いを実現してきた美濃町線の運行関係者の皆様には崇敬の念しかありません。

【参考文献】「さよなら腕木式信号機&タブレット 」君島靖彦  現代企画室 2000/8