エキサイティング駅スタンプ 東北編2

山形県に入ります。
いずれも1987年8月の東北旅行時に捺したものです。

酒田駅は「五角の黒」で「歌、文学、伝説、人物が特色の駅」です。
キャッチフレーズと駅名の間を埋める★の代わりに「庄内」「米・酒」の文字、そして鉄道のイメージの旗竿記号があしらわれています。
さてさて、「おばこ」は庄内ことばで「娘」の意であることは知っていましたが「来ばえて」の意味が分かりません。さっそく調べてみると「庄内おばこ」という民謡に「こばえて、こばえて」という合いの手が入るそうで、「来てみたらいいよ」(「来てください」と言うより)みたいな意味とのことです。
また、庄内東部広域農道の愛称「こばえちゃライン」も「こばえて」の関連語のようです。
図柄の左側の顔はハンコタンナを着けた「おばこ」、右側の顔は酒田の大獅子でしょうか。

これは左沢線左沢駅で捺したもので、駅が所在する西村山郡大江町が作ったものです。
駅スタンプの印影が残っていないので、見過ごしたのか捺し忘れたのか置いてなかったのか不明です。
「フルーツとニット」のフルーツはわかりますがニットの産地であることはこのスタンプで初めて知りました。「山形ニット」ブランドは世界でも評価が高いそうで、スタンプひとつでいろいろ勉強になります。図柄は最上川と最上橋、舟運のイメージです。
左沢線は「キハ22単行、ひどい混雑」とメモってありました。

山形新幹線開業とともに「かみのやま温泉」と改称した上ノ山駅です。
左沢線往復ののち奥羽本線赤湯行に乗り、次の目的路線である長井線(現・山形鉄道フラワー長井線)に向かう途中に途中下車して捺しました。
当時の山形県内の奥羽本線は電化されていたものの、電車は特急「つばさ」と仙山線乗り入れ列車のみで、普通列車は主に客車列車と若干の気動車列車で運行されていました。この時の赤湯行もキハ22単行で、左沢線同様混んでいた記憶があります。
前回の横手駅のように字体が活字ではなく手彫り的なタッチで、蔵王連峰・さくらんぼ・温泉マークをあしらった素朴な絵柄に味わいがありますが、フレーズが「蔵王エコーラインの駅」とやや投げやりっぽいのがなんとも…(汗

上ノ山駅に続き、長井線荒砥駅のスタンプです。「わたしの旅スタンプ」ではないオリジナルのものですが、いちおう駅のネームが入っているので正式な駅スタンプなのでしょう。
当時の長井線は連査閉そく式で、運転士用の時刻表には「時刻表=信号機」と大書されていました。通票がないので時刻表と信号現示をきちんと照合して運転されたし、のような意味と思われます。
旅メモによるとキハ45+58という当時のローカル線にありがちな形式混結編成でした。セミクロスシートを備えたキハ45はいわゆる「遜色急行」として走っていた実績があるので、急行型キハ58とのペアは普通列車としては豪華?編成と言えるかも知れません。

続いて山形県の隣県の新潟県へ。
新潟県を東北地方というのは違和感がありますが、当時の東北周遊券の自由周遊区間の南限が新潟駅と新津駅だったのでそれに免じてということで…

これも素朴な手作り感・・・というより文字が結構トゲトゲしく見えるためか、今までのスタンプにない迫力があります。手彫りなのでしょうが、迫力がありすぎて絵柄中の文字が潰れてしまっています。
上のミズバショウのように見える絵の左側の文字はかろうじて「尾瀬」と読めます。下の絵と文字は「奥只見ダム」ですが、一見したところ何なのかよく分かりません。
小出駅へは会津若松駅から只見線に乗って来たのですが、東北周遊券の周遊区間は会津若松-只見間のみだったため青春18きっぷを併用し、ここから東三条に出て弥彦線に乗っています。

弥彦駅は「丸の紫」で「温泉が特色の駅」。
弥彦というと大鳥居しか思い浮かばなかった(笑)ので、温泉というのは意表を突かれた感じでした。付近には弥彦温泉、岩室温泉、野積温泉などが集まっているのでまさに「湯のさと」ですね。
絵柄の沖合に佐渡島が見えます。

最後は蒲原鉄道村松駅の「忠犬タマ公」です。
有名観光地のスタンプみたいにあれこれ詰め込んだりせず、絵柄もきれいにまとめられています。

蒲原鉄道は当初、信越本線加茂駅と磐越西線五泉駅の間21.9キロを結んでいましたが、私が訪問した時には村松-五泉間4.2キロのみの運行となっていました。
この「忠犬タマ公」は、飼い主が雪崩に遭ったところを2度も助けた殊勲により県内外に銅像が何体も建立されているヒーロー(雌犬なのでヒロイン?)とのことで、こういう素敵な話との出会いも駅スタンプが仲立ちしてくれたからこそと思っています。
メディアやネットでいろんな情報が飛び交う現代、居ながらにして日本国内各地方のことがなんでも分かるような気になって、得てして変な知識や先入観を持ったりしがちですが、現地に行ってこそ初めて分かることや気づくことがいかに多いか今もって痛感します。

次回はちょっと飛んで九州編にまいります。(←間はないんかいっ