北海道周遊券

私の学生時代、初渡道の折に使用した北海道周遊券(北海道ワイド)です。
この写真はよんかくサイト「よんかく前史」にも掲載しています。

周遊券には、全国に設けられた周遊指定地を国鉄等で巡るコースを自分で組み立てるオーダーメイドの「一般周遊券」、一定の自由周遊区間内が乗り放題の「均一周遊券」、あらかじめ設定されたコースに従って旅行する「ルート周遊券」の3種類がありました。
均一周遊券のうち、北海道や東北、四国、九州など広範囲な自由周遊区間が設定されているものは特に「ワイド周遊券」と呼ばれ、出発地から自由周遊区間への往路きっぷであるA券と、周遊と復路を兼ねたB券の2枚から構成されています。
北海道、四国、九州については、往復経路とも鉄道・飛行機・船舶から選択できる「ニューワイド周遊券」も販売されていました。

北海道周遊券は、別料金を払えば十和田湖方面を旅行できるオプション券を付けることができました。この場合、周遊券はA〜C券の3枚綴りとなり、B券の「C券片番号」欄にオプション券の番号が記入されます。

北海道周遊券の裏面「ご案内」です。

大阪発の北海道周遊券は青森までの経路として上記の4ルートが設定されていて、この時の私の経路は往路(4)、復路(1)でした。経路中「東海道本線(関西本線及び名神高速線・東名高速線を含む。)」とありますが、大阪から名古屋・東京方面へ行くのに、急行「かすが」などが走っていたとはいえわざわざ関西線を経由するのは例えば私のようなよほどの好事家だけでしょう。
また、国鉄ハイウェイバスについては昼行便はもちろんのこと、バス指定券を買えばドリーム号にも乗車可能でした。のちにドリーム号が指定料金込みの運賃体系となってからも、周遊券所持者のための「ドリーム号周遊利用券」が発売されました。

自由周遊区間までの経路上は急行列車が利用できましたが、特急格上げなどで急行が減り始めていた頃だったのであまりお得感がなく、さすがに自由周遊区間内でそれはまずいと思ったのか特急自由席の乗車も認められるようになりましたが、経路上は相変わらず急行縛りのままでした。

そして平成の世となり、周遊券もマルスで発行する時代となりました。
別紙「ご案内」の表記から、「船」の文字が消えました。

有効期間20日間はヒマな乗り鉄のために設定したとしか思えない大胆さです。
しかしながら夏休みの学生などは20日でも足りず、有効最終日に目的地方面に向かう列車に乗れば有効期限を超えて目的地に着いても良い継続乗車船(現在は継続乗車)制度を活用していた者が多かったようです。極端な話、20日目の夜に稚内を出る夜行「利尻」に乗れば、鈍行を乗り継いで帰着が22〜23日目ぐらいになってもOKです。
ただし継続乗車船中は、翌朝まで列車がない場合などの例外を除いて途中出場ができないので、夜行など列車が走っている限りは乗らなければなりません。

そこまでして1日も長く旅の空に彷徨いたいと思えた若き日々が懐かしいです。