非自動@京都鉄道博物館
実に久しぶりの京都鉄博に行ってきました。
(2026年3月7日撮影)
貯まっていたWESTERポイントで新快速のAシートを取り、京都へ向かいます。

JR西お得意ののれんをくぐってAシートへ
Aシート専用乗車口と反対側のデッキは一般通路とのれんで隔てられていて、ギリギリのところまで人が立っています。グリーン車なら立っててもグリーン料金を取られる位置なんでしょうが。

京都駅に着くと何か妙なものが停まっていたので、近寄ってみると「トワイライトエクスプレス瑞風」でした。
今日は運転日ではなく回送列車でしたが、こんなところで出会えるとは鉄博訪問には幸先の良いスタートです。

キサイネ…気動車・付随車・一等寝台車
見惚れているうちに上り方面へ発車して行きました。回送の割には展望車に人がたくさん乗っています。

嵯峨野線(山陰本線)にひと駅乗って梅小路京都西駅で下車し、京都鉄道博物館に入場。
今日は「非自動」な展示物の探訪を主目的に据えています。まずは屋外展示からいきましょう。

このあたりは弁天町の旧・交通科学博物館から移設された車両です
幸か不幸か引退後もまだ食堂車をやらされているナシ20。
メニューはドリンクとソフトクリームぐらいしかなく、向かいに出ている淡路屋さんのワゴンで駅弁を買って持ち込んで食べても良いそうです。←それ食堂車と言えるのか?

そのナシ20の前位にDD5433。DD54形はドイツ・マイバッハ社との技術提携により製造、米子区と福知山区に配属されブルトレ「出雲」も牽引しましたが、故障や事故が多かったため早期に廃車された悲運の機関車でした。

そのDD54に付き物の非自動物件がタブレットキャッチャーとタブレット保護柵。
通票の通過授受の際に駅の授器からタブレットキャリアを取り去るための道具で、キャッチャーがキャリアの輪(ツル)を引っ掛けた後に車体に通票収納部がドン!と当たるわけですが、その衝撃から車体を保護するために取り付けられているのが右側にある保護柵です。これらは通票閉そく時代の山陰本線で優等列車を牽く時の必需品でした。

隣の展示場(トワイライトプラザ)にはゴハチことEF58150と旧・トワイライトエクスプレス専用機EF81103。その前に佇むのは腕木式の遠方信号機です。

腕木式信号機を保存・展示している施設は数多いのですが、ほとんどは赤い腕木の場内または出発信号機で、遠方信号機はとても珍しい・・・というかひょっとして国内ではここだけでは?と思われます。
これも交通科学博物館から移設してきたものです。

遠方信号機は非自動閉そく線区や、自動閉そくでも駅間に閉そく信号を置かない方式(特殊自動閉そく式、自動閉そく式(特殊))の線区に設置され、場内信号機の現示を前もって知らせる予告信号の役目を担う信号機です。

信号機の足元には信号てこが置かれ、てこが倒されているので腕木が下がり進行(反位)となっています。2基並んでいる信号てこのうち、信号機とワイヤーで結ばれているのは右側のみで左側はフェイクというか単なる置き物です。今は鎖で施錠されていますが、信号操作イベントなどを行うことがあるのかもしれません。

信号てこを倒すとワイヤーが引っ張られ、重錘とエスケープクランクを介して信号動作部に動きが伝達されます。エスケープクランクは、ワイヤーに引っ張られて上下する重錘の動きを拾って信号動作部に伝えることにより腕木を確実に動作させる、いわばワイヤーの動きを間接的に増幅するブースター役です。仮にワイヤーが切れた場合は重錘が下がり信号が定位(安全側)に戻るフェイルセーフ機能も兼ね備えています。

腕木式信号機全盛時には各地で見られた腕木式遠方信号機でしたが、その名のとおり駅から遠く離れた位置にあるためワイヤーの伸びや弛みで動作不良となることが多く、ワイヤートラブルを回避するため2条鉄索として常にワイヤーの緊張を保つ方式も導入されたものの、かなり早い段階に色灯式への置き換えが完了したようです。

さて、いよいよ室内展示にまいります。

ちょっと奥まったところに鎮座する、国内初の特急気動車「はつかり型」キハ81。子どものころ阪和線沿線に住んでいたよんかくには天王寺-名古屋間直通「くろしお」の記憶が鮮烈です。

「はつかり」時代の東北本線、「くろしお」時代の紀勢本線ではまだ多くの区間が通票閉そく式で、このキハ81にもタブレットキャッチャー、タブレット保護柵、タブレット保護板の三揃いが設置されています。タブレット保護柵は乗務員扉のガラス破損防止、ネジ止めのタブレット保護板は車体保護のためのものです。
特急列車が高速で通過授受を行う際にタブレットキャリアが車体に与える衝撃の激しさが、この装備でも伝わってくるように思えます。

ただ、この車両の反対側のキャッチャーなど一式は撤去されていて、前回訪れた時はそれを見て寂しく思ったものでしたが、こちらサイドでは完全な形で残っていたことに初めて気づいて驚いた次第です。

さあいよいよ本丸に突入します。

いろんな信号機が所狭しと並べられています。
一番右はおなじみ腕木式の出発信号機。その隣の単灯式信号機は赤・黄・青3色の色ガラスをスライドさせて現示する方式で、豪雪地など腕木式信号機の使用が困難な停車場などで使われていました。

腕木式信号機は足元のペダルを踏むと動くようです。

【動画】腕木式信号機定位→反位→定位
多分モーター仕掛けで動作しているのでしょうが、これと同様のモーター式腕木式信号機(A形電気信号機)も実際に使用されていた時期があったそうです。
その横には通票受け器と、ぶら下がるタブレットキャリア。



そして一対の通票閉そく器。残念ながら「さわらないでください」なので勝手にチンチンボンボンできないのですが、たまーに操作実演もされているようなので、その時にまた再訪できればと思いました。

2台とも両側面が透明アクリル板となっていて、中の様子がよく見えます。


通票、スタフ、通券箱など非自動グッズも陳列されています。これらも昔、交通科学博物館で見たことがあるものでした。

分かりやすい解説も添えられていますが、実際に通票を見る機会がほとんどなくなった今となっては、どれほど人々にアピールできるのでしょうか。よんかく家に来たらいつでも見れます

車両展示やらジオラマなんかにはたくさんの人が群がっているのにこのコーナーは人気(ひとけ)もなくひっそりしていて、じっくりと見られるのは良かったのですがちょっと寂しい気もしましたね。

もう1か所、通票閉そく器が置いてある場所が「昔の駅長室」。
閉そく器もさることながら、電話機が相当な年代モノです。

次回は、非自動関係以外の見学記をご覧いただきます。
