大和西大寺の一大事

近畿日本鉄道奈良線・京都線・橿原線が4方向から集まる大和西大寺駅。
直通運転を行なっている京都線・橿原線(京都-大和西大寺-橿原神宮前)と奈良線(大阪難波-大和西大寺-近鉄奈良)がタスキ掛け型に運行されるX字平面交差ジャンクションで、かつ、折り返し線と側線、車庫と検車区への出入庫線まであるので配線がとても複雑です。

1・2番線は主に奈良・橿原神宮前方面
3〜5番線は京都・大阪難波・神戸三宮方面
6番線は奈良線と橿原線の当駅仕立列車のホームです。
4・5番線は1線(4号線)を共有しており、停車中の列車の両側扉を開けて、近鉄のお家芸「車内通り抜け乗り換え」が行われます。

よんかくはたま〜にこの駅を通るたび降りて写真を撮ったりしているのですが、少し古いけど一番うまく撮れた(と自分で思っている)写真をちょっとご覧いただきます。

(2017年7月15日撮影)
奈良方のホーム先端から。
直線的に伸びているのが近鉄奈良方、やや右に曲がって行ってるのが橿原神宮前方と出入庫線です。

分岐器がごちゃごちゃしているあたりを拡大してみます。シーサスクロス、シングルスリップが何基かずつあります。駅構内の分岐器は全部で41基あるそうです。
右側に見える建物は「信号扱所」です。信号機や分岐は基本的に自動制御されていますが、ダイヤ乱れ時などのイレギュラー対応は現在でもやはり人の手によるところが大きいようです。

奈良方から特急車が回送されてきました。
入庫のスイッチバックのため、いったん3番ホームに入ります。

1番線に京都からの特急が入線。橿原神宮前・奈良・吉野連絡って、ぱっと見いったいどこへ行きたいのか分かりません(笑
これは当時行われていた京橿特急と京奈特急との併結運転です。京都発の場合6両編成の前4両が橿原神宮前行、後2両が奈良行で、当駅にて分割します。

現在は併結運転は解消され、それぞれ単独運転に戻っています

分割している最中、先ほど3番線に入ってきた回送特急が入庫していきます。
このウネウネ感がいいですね。

さて橿原神宮前行出発と思いキヤ、今度は奈良からの大阪難波行急行が4番線に入ってきました。
橿原神宮前方の線路を連続で塞がれ、なかなか発車できません。

さてそろそろ・・・と思うと今度は橿原神宮前発京都行ビスタカーが3番線へ。
橿原神宮前方へ発車できないことはないと思うのですが、念のためちょっとウエイティングでしょうか。

で、やっとこさ橿原神宮前行が発車。
分割作業と合わせて約5分の停車は、有料特急としては少し無駄な時間のように思えます。

入庫する西大寺止まりの編成(左)と、出庫してきた普通尼崎行となる編成の行き違い。
ニアミスっぽく見えますがもちろん当たっていません(汗

この出入庫車行き違いの間、奈良からの特急が「早いこと道あけんかゴルァ」とでも言いたげな表情で、場内信号待ちしていました。

さて、次は駅の京都・難波方の配線を見てみましたょう。
駅ビル「タイムズプレイス」の中に展望デッキが設けられており、その隣には列車の出入りを眺めながらお茶が飲めるビューテラスがあります。

タイムズプレイスは駅ナカにあるので入場券が必要ですが、駅の券売機で「サービス券付き入場券」を買えばショップで入場料金相当額の値引きが受けられるという仕組みです。

展望デッキからの眺めはこんな具合。鉄な老若男女で賑わっています。
出入庫線がない分、フツーの複線同士の分岐という感じです。

まずは京都方から橿原神宮前行特急がストレートに1番線に入線。

3番線から橿原神宮前発京都行急行の発車です。
京都方面と難波・三宮方面の発着ホームは互いの接続をとるため3番線から5番線までのワイルドカードとなっていて、乗り場案内をよく見ないと乗り損ねたり乗り間違えたりするおそれがあります。

同じく3番線から難波行急行発車。
京都方からは橿原神宮前行急行が2番線に入線しようとしています。

2番線に入線する京都発橿原神宮前行急行。
すごいうねり具合です。

お次は難波発奈良行急行もうねりながら1番線に。
2番線の橿原神宮前行急行との接続をとります。

その直後、4番線にいた京都行特急が発車。
このようなことが一日中続いている駅です。

 

大和西大寺駅の前後には慢性的な「開かずの踏切」があり、加えて奈良線の大和西大寺-新大宮間は平城宮跡を一直線に突き切っているため、平城宮跡の南側へ迂回する線形変更と高架化とを合わせて行う計画がありましたが、奈良県知事が変わってからは平城宮跡迂回案は立ち消えとなり、駅前後の高架化だけとする計画に変更となったようです。
複数系統の路線が平面交差する駅の高架化は現在、阪急京都線・千里線の淡路駅で事業中ですが、大和西大寺駅はそれに出入庫線が絡んでくるので、どんな構造になるのかちょっと考えが及びません。

開かずの踏切は解消してほしいものの鉄道名所にもなってしまっているこの駅、今のところ大きな動きはありません。