小坂鉄道の残照

家族連れで東北方面に行ってきました。
ほぼ非鉄な観光旅行だったのですが、最終日にちゃっかり小坂鉄道レールパークを組み込みました。

駅舎も横の看板塔もほぼ現役当時のまま

入場券を買うと出札口の係員氏がそのまま改札口に来て、券に入鋏してくれます。
場内には3両の24系寝台車「あけぼの」編成が留置されていますが、現在は整備のため車内見学は不可とのこと。

コロナ前は寝台で宿泊もできたようです

レールパーク自体はいろんなサイトで取り上げられているので、一般的な紹介は割愛させていただくとして・・・

貨物列車用通票受器

長編成の貨物列車は機関車の停止位置が駅本屋からかなり離れるので、通票キャリアは駅本屋の前にあるこの受器に引っ掛けていました。茂内駅にあった通過授受用の受器はラセン状だったのに対し、ここは一般旅客の邪魔にならないようにするためか簡素な構造となっています。

大館方を見たところです。
レールが錆びている点を除き、これも現役当時とほとんど同じ光景です。

車庫に入ると、DD130が三重連の勇姿そのままに保存されています。
手前は駅構内の走行体験ができるレールバイクですが、観光トロッコともどもこの日は営業休止でした。

車庫の奥にソロことB寝台1人用個室のオハネ24が留置されていました。
ホームに停まっている「あけぼの」と同じく青森車ですが、方向幕は「彗星 新大阪」となっています。宮原か向日町あたりから転属してきたものでしょうか。
14系寝台車には「あかつき」→「日本海」で早岐車が青森まで顔を出すような大型運用がありましたが、24系は使用列車が固定されていたようです。

三重連DLの裏側にいろんなものが陳列されていました。

茂内駅の信号機から持ってきたものでしょうか。
赤い腕木は場内信号機、黄色は通過信号機の矢羽で、灯火用の色ガラスは場内が青と赤、通過は青と黄です。
腕木をこんな至近距離で見る機会はめったにありません。

この出発信号機も茂内駅のものでしょうか。なかなか優美な立ち姿です。
場内信号機と腕木の色は同じですが長さが異なり、場内の方が若干長いですね。

これですよ、これ(笑
紛れもなく茂内駅の通票授器です。
もともとは、キャリアが取り去られると組みが解除され、2本の腕が落下する仕組みとなっていたそうですが、晩年は腕が固定され常時このままの形を保っていました。
いずれも非鉄一般人にとっては全く不可解な代物でしょう・・・

車庫の一角に設えられた展示室にもいろいろあります。

肝心の閉そく器が見当たらなかったのが残念。
これらの展示物は「小坂町立総合博物館郷土館所蔵」となっているので、ひょっとしたら閉そく器はそちらで展示されているのかも知れません←時間の都合で訪問できず(泣
左端に見える通券箱は花岡線で使用されていたものと思われます。

もちろんグッズにも触手が伸びます。

木製のレプリカタブレット。
ただ、大館-小坂間は大同信号D型閉そく器の碗型タブレットによる併合閉そくだったので、残念ながら実物に忠実というわけではありません。
しかしながら、レアな存在の第4種楕円玉を模るところなどニッチな需要に見事に応えていると言えましょう(笑
ともあれ、我が家所蔵の通票(通票まがい物件を含む)は目出度く、第1種から第4種までコンプしたことになります。

時間が限られていたのでなかなかの駆け足観覧となってしまいましたが、クルマばかりの非鉄旅行の最中にあって、さすがに鉄分でお腹いっぱいになりました。
小坂鉄道保存会の皆さま、お世話になりました。

この後は秋田空港に向かい、ドタバタでクルマを返却し搭乗手続きを済ませ、別行動で鉄旅に興じる息子に頼んであった比内地鶏の鶏めしを機内で広げました。

プロペラの音を聞きながら駅弁を食べたのは初めてです。