こどもてつどうパンチセット

いつものごとく家の物入れをごそごそしていたら、存在を全く忘れていたものが出てきました。

説明も何もいらないぐらいわかりやすい物件です。
昭和世代(平成世代の一部も?)の男子が一度はやってみたかったのが「昆虫採集セットの注射」とこの「きっぷ入鋏」だったのではないでしょうか。←偏り過ぎ?

厚紙の硬券風きっぷに金属製の「パンチ」が付属しています・・・というか、パンチにきっぷが付属していると言う方が適切かもです。
私も同じようなものを親から買い与えられて遊んだ記憶がありますが、これはもちろんそんな●十年も前のものではなく、少なくとも私が成人してから何らかのルートで入手したものです。どんなルートだったのかは全く思い出せませんが・・・


今まで未開封のまま保存(放置)してあったので、せっかくなので開封してみることにしました。
8か所のホッチキス留めを丁寧に外します。

台紙はこんな感じです。「コドモテツドウ新幹線特急券」などカタカナ書きであるところを見ると、マルスN型端末の券面を意識しているように見えます。
その券面の周囲には、札幌から各駅を経由して博多に至る鉄道路線図?が描かれています。
新幹線きっぷのセットなので札幌→仙台はかなりの先取りというか勇み足ですな(笑
仙台→新潟はやはり東北・上越新幹線大宮乗り換えなんでしょうか。それなら乗車券的には新潟→大宮間が複乗となってしまいます。こまか過ぎ

一番上の「こども鉄道回数券」表紙には、蔵王連峰?をバックに走る「つばさ」が描かれているので、このパンチセットは山形新幹線開業の1992年7月以降に製造されたものということになります。

その「回数券」・・・てっきりガワだけかと思っていたら、ちゃんと回数券していました。
やっぱり実物を見てみんと分からんもんですな。

さて、パッケージ最前面に出ていた「特急券」。
特急券の下には普通乗車券が重ねられていました。発駅や金額にバリエーションがあります。
赤券は東北・上越新幹線、緑券は東海道・山陽新幹線という区分になっています。
乗車券の赤券はなぜか東北新幹線だけですが、白石蔵王や新花巻という駅名のチョイスが絶妙です。
「つばさ」との関係で言うと東北新幹線はすでに東京駅に乗り入れているものの、下り方は盛岡駅止まりの頃だったものと思われます。

さていよいよお待ちかねの「パンチ」の登場です。
いたってシンプルな構造ですが、なぜかアラベスク風の唐草紋様っぽい装飾が入っています。
材質は何でしょうか・・・ダイキャストのような非鉄金属の合金のようにも見えます。

子ども用サイズなので、小さ過ぎてオトナの手では持ちづらいですね。
本来の改札鋏なら、ヤットコかペンチみたいにまず掌で掴んでから指の動きで入鋏するのですが、これは指だけで全体を支えて動かさないといけないので、なかなかうまく挟めません。
それでも数回練習して、ぶっつけ本番で入鋏してみました。

【動画】背景にフォーカスされてしまい肝心の手元がボヤけました

案外うまく入鋏できるもんです(笑
入鋏痕は3ミリ×2ミリの長方形で、玩具なのでまぁこんなものでしょう。
一般的なボール紙の券なので入鋏できましたが、本物の硬券は厚すぎて切れなさそうです。
残念ながら、本物の硬券コレクションで試す度胸がよんかくにはありませんでした。

そうやってしばしの間童心に帰って?パンチ遊びをやったのち、元どおりに梱包してホッチキスを打ち直し、再び物入れの一角に戻しておくことにしました。我が家の物入れはほぼタイムカプセル化しております。
その後なんとなくネットを見ていたら、これとほぼ同じものがヤ●オクで「100,000円即決」で出ておりました。そんなもん誰が買うねん。

製造元のワカエ紙工株式会社はこのパンチセットのほか、かつて駄菓子屋でお馴染みだった「点取り占い」や縁日の当てもんのクジ引きなど紙製玩具を主に製造していたようですが、現在は大手板紙メーカーの傘下に入って工業用の紙製品などを作っているそうです。
今でも100均や駄菓子屋には同様のものが売られているかも知れません。 もっとも、IC乗車券世代の子どもたちにどこまでアピールするかは分かりませんが・・・