通票は列車の通行手形
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通票は列車の 通行手形 通票は列車の 通行手形 通票は列車の 通行手形 ああ通票よ こんどは逆向きの 列車に迎えられ 決して華やかな 役回りじゃないけど |
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単線区間を安全に走るには
単線区間における列車の運行は、「正面衝突」と「追突」の危険との戦いでもあります。これらの危険を回避するため、鉄道では閉塞という考え方をもとに安全を確保しています。
閉塞…路線をいくつかの区間に区切り、一区間内に2本以上の列車を同時に進入させないよう、列車運行を管理すること。複線区間では先行列車との間隔を保つよ
うにすればよいが、単線区間では対向列車との関係も考慮しなければならない。
単線区間では原則として、列車の行き違い(交換)の可能な駅どうしの間を1つの閉塞区間としています。つまり交換可能駅間には上下いずれか1本の列車しか走れないようにしているわけです。そして、ある区間が閉塞されている(その区間内に列車がいる)か開放している(列車がいない)かは、閉塞区間の入り口に建っている出発信号機の標示で知ることができ、列車はこれに従って出発するかしないかを判断します。

閉塞を確保するには
では、単線区間ではどのような方法で閉塞を実施しているのでしょうか。
単線区間での閉塞方式
自動閉塞方式(単線自動、特殊自動)
…軌道回路によって自動的に列車の走行状況を検知し、閉塞を行う方式
非自動閉塞方式(タブレット、票券、スタフ、連査、連動)
…各交換可能駅の駅長が、隣駅との打合せ等の取扱いによって閉塞を行う方式
自動閉塞方式は、列車の車輪がレールを短絡することで構成される軌道回路により区間の開閉を把握して信号を標示する、技術的に高度でかつ合理的な方式です。現在ではJR・私鉄を問わずほとんどの線区が自動閉塞方式によって運行されています。
一方非自動閉塞方式は、駅長どうしの通信によって区間の開閉状況を確認し信号を操作するという人手に頼った方式で、古くから列車の安全運行を守ってきました。
通票は、非自動閉塞方式において区間の閉塞が完了している状態(その区間には他の列車は絶対入って来ない状態)であることを示すために列車に携帯させる、一種の通行手形です。
非自動閉塞方式と通票
お待たせしました、いよいよ列車の通行手形である通票の出番です。
通票は直径10センチ、厚さ7ミリ程度の真鍮製の円盤で、下の4つの種類があり、中央の穴の形で種類を区別します。

ここにA〜Dの4つの駅があると仮定して、

という具合にそれぞれの駅間ごとに通票の種別が定められており、その種別の通票を駅長からもらった列車だけが運転を許されるというルールになっています。たとえばB駅とC駅の間を運転しようとすれば■(第2種)の通票をB駅長またはC駅長からもらわなければならない、という具合です。通票はその駅間でただ1つしか使用できないシステムになっているため、列車は通票を受け取ることにより独占的に次駅まで運転することができ、他の列車による正面衝突や追突の危険を回避しています。
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この写真は、1984年当時の可部線(広島県)の運転士用時刻表です。各駅名の間に赤で●やら▲やらと記入してありますが、この記号がその駅間に対する通票の種別を表しています。 |
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ところで、通票を使用する非自動閉塞方式には3種類あります。
スタフ閉塞式…ただ1つの通票(この方式における通票を特に「スタフ」と呼称します)を折り返し使用する方式
A,B両駅間には●のスタフがただ1つあるだけです。よって、そのスタフを持った列車がB→Aに向けて発車してしまうと、その列車が折り返してBに戻らない限り、新たにB→Aの列車を発車させることができません。列車本数が少なく、同方向に続けて列車を出す(続行運転)必要のない線区で使われている方式です。

票券閉塞式…通票をただ1つだけ用意し、通票代わりの「通券」と併用する方式
スタフ式と同様、B,C両駅間には■の通票がただ1つあるだけです。ただし両駅には通票の代わりとなる「通券」が備え付けられています。
B→Cへ2本続けて運転する場合は、B駅長は先発の列車に通票を提示しながら通券を渡して出発させます。C駅に通券が到着すればC駅長はB駅長に電話で「通券が着いた」旨を通知し、その通券には×印を付けて使用不能とします。そしてB駅では後発の列車に通票を持たせ、あとはスタフ式と同様の運転を行います。
通券を収めている「通券箱」(右下写真)は通票を鍵として開く仕掛けになっているので、通票を持っている側の駅だけが通券を発行できるようになっています。続行運転のできないスタフ式の欠点をカバーするために考えられた方式ですが、これも列車本数の多い線区には向いていません。
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![]() 通券箱(2000/8/13 交通科学博物館) |
タブレット閉塞式…複数の通票(この方式における通票を特に「タブレット」と呼称します)を収めたタブレット閉塞機を各駅に設置し、駅どうしの打ち合わせによって閉塞機からタブレットを取り出して使用する方式
▲の通票を収めたタブレット閉塞機がC,D両駅にあり、それら2台の閉塞機は電気的につながっています。そしてC駅でタブレットを取り出すためのスイッチはD駅に、D駅のスイッチはC駅にあります。ですから、隣駅が閉塞を承認してスイッチを操作しないとタブレットが取りだせない仕組みになっています。
タブレット閉塞機はよく出来た機械で、
・一度の操作で1枚のタブレットしか取りだすことができない
・外に出ているタブレットをどちらかの閉塞機に収めないと、次のタブレットを取り出す操作ができない
という構造になっており、同時に2枚以上のタブレットが外に出ないように工夫されています。列車本数の多い線区でも対応できる方式です。
