票券指令閉そく式導入後の北条鉄道  2023/09/30撮影

2020年9月、法華口駅の交換設備設置(復活)に伴い、全国初の非自動閉そく方式
「票券指令閉そく式」が導入されました。
自動閉そく化より大幅なコスト削減効果を図って登場した方式です。


  粟生

  2022年3月から運行を開始している
  元・JR東日本のキハ40



  運転席

  一見、変わり映えしないようだが


  票券指令閉そく式の通票として
  使用されているICカード

  黄色が北条町−法華口間
  緑色が法華口
−粟生間

  法華口での列車交換がない時は
  両方の通票を持って運行


  運転時刻表

  通票種別もちゃんと記載
  されている

  粟生発北条町行列車が法華口に
  入線

  通票取り扱いの関係上
  構内は右側通行となる

  到着後、客扱いののち
  
北条町の指令員に無線で到着を
  報告

  
  北条町−法華口間の通票を
  認証装置にタッチ

  これにより北条町方の
  出発信号機が青になる


  信号と時刻表を確認して
  出発進行
 


票券指令閉そく式のしくみ

法華口駅での列車交換がある時間帯は上下列車がそれぞれの走行区間の通票を携帯し、ない時間帯は両区間の通票を携帯してピストン運転を行う。

平日朝ダイヤにおける通票の動き


列車運行前は、北条町駅にある「閉そく親機」に北条町−法華口間通票(黄矢印)北条町−法華口間通券(赤矢印)法華口−粟生間スタフ(緑矢印)(いずれもICカード)が収納されている。

北条町発1番列車から午前中最後の列車交換までの手順

1 北条町駅指令員は粟生行1番列車(以下「第1編成」)に北条町−法華口間通券法華口−粟生間スタフの2つを携帯させて出発。
2 第2編成が法華口駅に到着後、同駅の「閉そく子機」収納部に通券を収納(収納とともに北条町駅の閉そく親機が収納の旨を表示)。運転士は指令員に収納の旨を無線で報告。
3 指令員は閉そく子機収納部に通券が収納されたことを確認し、第1編成運転士に返答。運転士がスタフを粟生方閉そく子機の認証装置にタッチするとATS地上子が停止動作を解除し出発信号機が反位(青)となって、出発可能となる。
4 指令員は閉そく子機収納部に通券が収納されていることを再度確認のうえ閉そく親機を操作して北条町−法華口間通票を取り出し、粟生行2番列車(以下「第2編成」)に携帯させて出発。
5 粟生駅で折り返して来た第1編成及び北条町駅から来た第2編成が法華口駅に到着後、両編成の運転士が互いに通票スタフを交換し、それぞれ出発方向の閉そく子機の認証装置にタッチ。双方向へのATS地上子が停止動作を解除し出発信号機が反位となって、各列車出発可能となる。
2列車運行が継続されている間は5の手順を繰り返す。

午前中最後の列車交換から1列車運行(ピストン運転)までの手順

1 法華口駅で午前中最後の列車交換を行って北条町駅に到着した列車は通票を指令員に返却し、通票を閉そく親機に収納する。
2 午前中最後の列車交換を行って粟生駅で折り返して法華口駅に到着した列車は、指令員に無線で通券の取り出し許可を申請。指令員は閉そく子機に通券が収納されていること、閉そく親機に通票が収納されていることを確認のうえ、閉そく親機を操作して閉そく子機の収納部を解錠。法華口駅の北条町行運転士は閉そく子機から通券を取り出して認証装置にタッチすると北条町方への出発が可能となり、通券スタフを携帯して北条町駅へ出発。
3 北条町駅到着後、運転士から通券スタフを受け取った指令員はそれらを一旦閉そく親機に収納し、次の粟生行列車発車前に閉そく親機を操作して通票スタフを取り出して運転士に渡し、出発させる。

以上のように、基本的には従来の票券・スタフ閉そく式の取り扱いを電子化したものであるが、票券指令閉そく式独特の取り扱いとして
 (1) スタフを閉そく親機に収納するため北条町駅まで持ち越す(搬送)。
 (2) 最終交換を行なった北条町行は通票を携帯し、続行の北条町行が通券を携帯する。
特に(2)は、票券閉そく式の鉄則である「先行列車が通券、続行列車が通票」の逆順となる。

【参考文献】特許情報プラットフォーム 票券指令閉そく式の特許公報